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2016年10月17日 【独占取材】新型ロビジュニアは新カラーで機能も充実 開発中のタカラトミーさんにお話を聞いてきました!
タカラトミーさんから2015年2月に発売された「ロビジュニア」は、その後4万人もの方々に購入されるなど、2015年を代表するヒット商品となりました。
しかし、タカラトミーのロビジュニア担当であるニュートイ事業部の多田さんと片山さんは、ユーザーへのインタビューや社内での振り返りを通じて、「もっとこんな機能をつけてあげたかった」というアイディアが出てきたと言います。
そこで、タカラトミーは、今年の初めから新しいロビジュニアの開発プロジェクトをスタートしました。今回は、そのまさに現在開発中の新型ロビジュニアに迫ります。まだ他のメディアにも一切発表されていない新型ロビジュニアの貴重な情報を、特別にロビクラブだけにご提供頂きました。

タカラトミー ニュートイ事業部 多田翔平さん(左)と片山周さん(右)
新型ロビジュニアは「成長する」

– 新型ロビジュニアでは、どのような新機能が企画されているのでしょうか?
多田さん:ユーザーの方から「季節ごとに話す内容が変わるのが嬉しい」というお声が届いていたため、その季節ごとに変わる会話のフレーズ数を拡張しています。前回のロビジュニアはトータルで1,000フレーズを話すことができましたが、新型のロビジュニアでは実に2,000ものフレーズを話すことができます。また、元旦から大晦日まで365日毎日違った内容をロビジュニアが話してくれるため、日々ロビジュニアとの会話を楽しんで頂けるようになりました。
片山さん:そして、新しいロビジュニアには「レベル」という考え方がつきました。いわゆる成長機能です。ロビジュニアとたくさん遊んであげると、レベルが徐々に上がっていくように設計されています。
– レベルが上がることで、どんなことができるようになりますか?
片山さん:例えばレベルが1から2に上がるとあだ名(二文字+敬称)で呼んでくれるようになり、レベルが3に上がると簡単な質問をしてその回答を覚えてくれたり、歌に合わせてダンスを踊れるようになったりします。レベル4になるともうちょっと複雑な質問をしてきますが、それでもユーザーが答えた内容はロビジュニアがしっかり覚えてくれます。
毎日の会話と成長を楽しみに、ロビジュニアとたくさん触れ合って頂きたいです。

ロビシリーズ初の新しいカラーリング
– 今回新しいカラーリングに挑戦しているそうですが、配色はタカラトミーさんが独自に決めたものでしょうか。
片山さん:いえ、配色は高橋さんとデアゴスティーニさんと一緒に検討させて頂きました。最初に私たちから幾つかのカラーバリエーションを提示させて頂いたのですが、高橋さんの頭の中には別のイメージがあったようで、色を塗る前のデータをお渡しし、「塗り絵」をして頂きました。

配色サンプル
そしてその色味を元に作成したプロトタイプがこちらです。

当初作成されたプロトタイプ。ビビッドなカラーが印象的。
こちらのカラーリングは、おもちゃ感はあるのですが、少し色味がポップ過ぎました。そこで高橋さんから少しアンティーク調にしようというご提案を頂きました。白い部分は、以前は本家のロビと同じく少し黄色味掛かったものでしたが、今回は明るめの白を取り入れています。最終的には、ユーザーさんにも元気を与えられるようなカラーリングになったのではないかと考えています。
こちらが新型の配色です。

ロビカラーでお馴染みの「白・黒・赤」の組み合わせから刷新された新しいカラーリングは、元気印の「オレンジ」を採用しつつも、シックなネイビーを組み合わせ、バランスの取れた配色になっている。
ハードウェアも性能向上
– 初めてロビジュニアを開発した際には、本家ロビのデザインを踏襲するため「細かいデザインまで気を配る必要があった」というお話を伺いましたが、今回はそういったデザイン面での苦労などはありましたか?
多田さん:実は今まさに作り込んでいるのが、そのデザイン面です。一見カラーリング以外のデザインは同じように見えるのですが、幾つか違うポイントがあります。1つ目はマイク、2つ目は首の太さ、3つ目は首の動作角度です。
新しいロビジュニアには、音声を聞き取るためのマイクが2つ搭載されています。これは、左右二つのマイクの聞き取り時間のズレを認識することで、どちらの方向から話しかけられているかを検知するためです。これまでは赤外線で人がいる方向を定めていましたが、話しかける際に「目で人を探す手順」を踏む必要があり、会話の障害にもなっていました。これを音の聞き分けで行うことで、自然な会話を実現しています。

試作中のマイクが2つあるモデル。お腹の部分に二つのマイクが搭載されている。
2つ目の「首の太さ」については、高橋さんからのご要望を元に修正しています。若干ですが、首が太くなり位置が前になっています。本家のロビは、胸を張って立っている様子が印象的ですが、その格好に近づけた形になります。
そして3つ目の「首の動作角度」が今一番難航している点です。これまでのロビジュニアは、頷くことと首を回すことしかできませんでした。しかし新しく「首をかしげる」動きを導入したく、サーボモーターの数は同じまま、どうすれば様々な動きに対応できるかと思案しています。新しい制御方法になるので、この部分をまさに開発しているところです。
– ソフトウェア面での進化はありますか?
多田さん:ロビジュニアは「音声認識」が大きな宿題でした。なかなか思うように音声認識ができず、「もう一回聞かせて」と繰り返してしまうこともありました。それを改善するためにソフトウェア側で処理の方法を変更しています。これまでは聞き取れなかったら「もう一回聞かせて」で終わっていたところを、ロビジュニアが返事をしてくれるようになりました。音声認識領域でのハードウェアは劇的な進化は遂げていませんが、ソフトウェアの改良により、対話感も改善されていると思います。

-新しいロビジュニアは、販売時期や価格等決まっているのでしょうか?
多田さん:基本的には型に大きな変化はないので、前回のロビジュニアとほとんど変わらない価格でご提供できるように努力させて頂いています。販売時期についてはまだ明言できませんが、今冬には皆様の手元にお届けできるのではないかと思います。
ロビジュニアをすでに1体購入されている方も、また新しいロビジュニアとの生活を楽しんで頂けるととても嬉しいです。
